北京ダックと英国で食べれるAromatic Duckの違い

英国にはAromatic Crispy Duck ("香酥鴨" Heung So Aap)なる物があります。

スーパーでも買えるし、中華レストランにも当然あります。

これは日本人も大好きな北京ダック、という認識だったのですが、実際は何が違うのか知らなかったので、調べてみることにしました。

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アロマティックダックに使われるお肉は北京ダックに比べて、脂肪分が少なく、水分も少ないのでクリスピーに仕上がります。料理方法も違い、アロマティックダックはスパイスで味付けをした後に蒸したものを、最後にクリスピーに揚げます。。。

と、書いてありますが、スーパーで売っているものは(おそらく)下茹でして味付けをしてある物をオーブンで焼くレシピだし、ネットで見つかるレシピはオーブン焼きだったり蒸すだけだったりで、結構自由な感じ。

対して北京ダックはやはりスパイスで味を付けたものをオーブンでローストするのだそうです。まず、さばく所から違うらしく、北京ダックは羽根の下から穴を開け、内蔵を取り出し、棒を差し込みます。

そして特筆すべきは、鳥に空気を入れてふくらませる所です。その理由は皮をパリッと焼くためです。北京ダックという料理はいかにして皮をパリッと仕上げるかが最大のポイントになのですが、皮と肉の間に空気を入れることにより、焼いたときに肉汁が皮に浸み込んでヘニャッとならないようにしてるんですね。

北京ダックは焼き方の違いにより、吊るし焼き(挂炉 コワルー)と言われるタイプと、蒸し焼き( 悶炉 メンルー)といわれるタイプに分かれ、北京ダックでもっとも有名な全聚徳は吊るし焼きを採用しています。

歴史は北京ダックの方が古く、15世紀に遡ります。中国においてはアヒルを直火で焼いた料理を烤鴨(カオヤー、kăoyā)、焼鴨(シャオヤー、shāoyā)といい、烤鴨の起源については、殷の宰相伊尹が湯王に献上した白鳥の炙り焼きを烤鴨の元とする俗説が存在します。 15世紀に明の永楽帝がアヒル料理の盛んな南京から北京に遷都した際に原型となる「叉焼烤鴨」が伝えられ、宮廷料理に採用されたのが最初です。当初は宮廷のみで食されていましたが、次第に民衆の間でも食されるようになりました。

アロマティックダックは北京ダックの変形バージョンなようなもので歴史も浅く、登場したのは20世紀後半です。

英国が発祥ですが、米国でも見かけるそうです。あちらでは薄皮ではなくパンのようなものに挟みます。

英国では食べ方はどちらも同じで(というか、ロンドンあたりじゃないと北京ダックはお目にかかれませんが)、お肉、きゅうり、ネギとホイシンソースを薄皮に撒いて頂きます。日本のホイシンソースは海産物の味ですが、こちらのホイシンソースは変化していて甘い醤油ベース(味噌?)味です。

色々と調べてみた個人的な結論は、一番大きな違いは、空気を入れて皮をパリッとさせるか、最後に揚げてパリッとさせるかの違いだと思います。おそらく北京ダックはお肉の入手先もこだわっているのでしょうけど。。。味付け自体はどちらも似たような味みたいですね。

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だいたいこんな感じでパックに入っています

今日の夕飯は行きつけのスーパーで買ったAromatic Duckです。私は更に手抜きをしてレンジで温めてから最後にオーブントースターでちょっとパリッとさせますが、そもそも皮を食べないので無駄な努力なような。。。

段々と様々な食品の値段が上がっているのですが、このダックもかなり高くなりました。今はこれで900円。前は600円だったのにな。。。