春の訪れを鹿で知る

スコットランドの北、ハイランドの田舎住まいの我が家は自然に囲まれています。住んでる場所は一応それなりに大きい街なのですが、家が街の端っこにあるので、外に出たら大自然です。

f:id:suiren96:20220321201251j:plain

鹿、見つかりますか?

家の裏に小高い丘があり、毎年春先になると鹿がやってきます。冬にもたまに見かけるけど、春になり何かの新芽を食べに来る(と予想される)時期になるとほぼ毎日見かけます。

毎年、鹿が訪問するようになると、ああ、春だなと感じます。

f:id:suiren96:20220321201329j:plain

ここに居ます!

英国には6種類の鹿が居ます。

在来種が2種類。残り4種は外来種です。

f:id:suiren96:20220321201810j:plain

Red Deerの雄

在来種は赤鹿の亜種、Scottish Red Deer (Cervus elaphus scoticus)。ちょっとおじさん臭い顔立ちの、大型の鹿です。成熟した角が生えたオスの姿は非常に優雅です。この鹿は主にヒースの生えている荒野に住んでいるので、街の中では見かけません。

そしてもう一種の在来種、ノロジカは中型の鹿です。Roe Deer (Capreolus capreolus)。我が家に来るのはこのノロジカ。怖いもの知らずなのか、住宅街の方まで出てくることが結構あります。家の裏にもよく来るので子供たちは名前を着けています。

ちなみに、外来種は

Shika Deer  (Cervus nippon) 。そう、日本鹿です。こちらでかなり分布していてます。遺伝子が近いらしく、赤鹿と交配でき、もう純血の赤鹿は残っていないとの専門家の見解です。(だけど全然問題になってないのは、個体数が多いせいか、それとも交配しても全く問題なく繁殖できているせいか。。。?)

それはともかく、この英名どう思います?Shika鹿。つまり鹿々というネーミング。和名でも同じような名付けを何処かでしていると思いますが、日本語が分かると何となく可笑しいです。

そして、角が平ったい形でカッコいいダマジカ Fellow Deer(Dama dama)、食用にすると美味しいらしいキョン(羌、Reeves's muntjac (Muntiacus reevesi)、キバノロChinese water deer (Hydropotes inermis chinese)。この辺は皆、狩猟用に移入されたものです。 

 

この家の裏の丘、子供たちも駆け回るのでが、英国ではマダニに噛まれて感染するライム病が流行っています。他の動物にもマダニは当然付きますが、主に鹿よって広まるので、この辺はちょっと困り物。特に下の子は美味しいらしく、マグネットのようにマダニを惹きつけます。野山を走り回った後は要チェックです。

見つけたら取らないといけませんが、ガッチリかみついているマダニを取る際に、ダニの口だけが皮膚に残り炎症をおこしたり、しこりになったりするケースがあるため、闇雲に引っ張ってはいけません。

酢や塩で取る方法があったり、マダニ取り専用の器具も市販されています。 小さなくぎ抜きのような形状で、マダニと皮膚の間に差し込んで、くるくるとねじりながらマダニを外します。

が、そんなものを使わなくても普通のピンセットで十分です。

取り方のコツは引っ張るのではなく、そっとつまんで、くるっと回すように優しく引っ張る事。そうするとスッと取れます。焦らずに優しく。

乱暴に扱うと刺されるのでさらに抜きにくく、マダニを無理に体を引っ張ると口器から直接体内にマダニの体液が流れ込むので感染症の危険がますます高まり危険です。

ライム病の原因である細菌はマダニから人への移行は48時間以上の吸血が必要とされるため、野山に出たにすぐにチェックをしていれば、そんなに恐れるものではありません。噛まれた後を数日チェックすることもお忘れなく。ライム病の特徴である、的のような丸いアザが出来たら即病院で抗生物質を貰いましょう。